企業の人事部で社内研修を企画されている方のなかには、新入社員や中途社員向けの研修にYouTubeを活用したいと考えている方も多いのではないでしょうか。
YouTubeは動画配信プラットフォームとして多くのユーザーが使っています。しかし、多くの担当者の方は、YouTubeをどのように社内研修に使えばいいのかわからないという悩みを抱えています。
本記事では、そもそもYouTubeを社内研修に使えるのかという疑問にお答えし、YouTubeの動画を社内研修に使うメリット・デメリットを解説します。
また、YouTubeを活用する際の注意点や成功事例も交えて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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- YouTubeを社内研修に活用する際の注意点
- YouTube動画を社内研修に活用するメリット・デメリット
- 企業のおけるYouTubeを活用した研修の成功事例
目次
社内研修でYouTubeを使えるのか?
結論からお伝えすると、社内研修でYouTubeを使うことは可能です。YouTubeは、膨大な数の動画コンテンツが無料で利用できるプラットフォームであり、社内研修においてもさまざまな方法で活用されています。
ただし、YouTubeで配信されている動画を使用する際には、著作権には注意してください。YouTubeにアップロードされている動画は、原則として著作権で保護されています。そのため、社内研修で利用する場合には、動画制作者もしく所有者の許可を得る必要があります。
著作権の許可を得る方法はいくつかありますが、一般的には、使いたい動画のYouTubeチャンネルの概要に掲載されているメールアドレスに連絡してみるのがよいでしょう。また、メールアドレスの記載がない場合は、リンクから企業や個人のホームページへ遷移して、問い合わせフォームから連絡してみることがおすすめです。
著作権の申請に手間がかかってしまうのであれば、社内研修用の動画を自社で作成しておくこともよいでしょう。社内研修に動画を活用するメリットについては、以下の記事を参考にしてください。
YouTubeの通常公開と限定公開の違い
YouTubeで配信されている動画には、通常公開と限定公開があります。通常公開と限定公開の違いは以下のとおりです。
項目 | 通常公開 | 限定公開 |
---|---|---|
公開範囲 | 誰でも視聴可能 | URLを知っている人のみ視聴可能 |
検索結果 | 表示される | 表示されない |
関連動画 | 表示される | 表示されない |
チャンネルに表示される | 表示される | 表示されない |
登録者に通知される | 通知される | 通知されない |
コメント | 制限可能 | 制限可能 |
収益化 | 可能 | 可能 |
通常公開の動画は、誰でもYouTubeで検索して視聴することができます。また、関連動画やチャンネルに投稿されるため、より多くの人に動画を見てもらうことができます。一方、限定公開の動画は、URLを知っている人のみ視聴可能です。そのため、特定の人にのみ動画を見せたい場合に適しています。
社内研修向けの動画をYouTubeにアップロードする場合は、企業紹介やブランドイメージなど一般のユーザーに見られても構わない動画は通常公開で配信するほうがよいでしょう。
しかし、あまり社外に見られたくない動画であれば限定公開で配信して、社内でURLを共有することがおすすめです。
YouTubeを社内研修に活用するメリット
YouTubeを社内研修に活用するメリットには以下のような点があげられます。
- 研修にかかるコストの削減
- 時間や場所にとらわれない
- 交流しながら学習を進められる
- 豊富なコンテンツがある
- 動画による学習効果の向上
それぞれ詳しく解説していきます。
研修にかかるコストの削減
YouTubeは、無料で利用できる動画配信プラットフォームです。そのため、社内研修にYouTubeを活用することで、研修にかかるコストを大幅に削減することができます。
例えば、講師を招待する必要や、会場を手配する必要がないため、研修の企画や運営にかかる費用を抑えることができます。また、自社にある研修資料を動画化することで、動画の企画や構成にかかる費用も抑えて制作ができます。
研修動画やマニュアル動画の制作にかかる費用や料金相場については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
時間や場所にとらわれない
YouTubeは、インターネットに接続できる環境があれば、いつでもどこでも視聴することができます。そのため、社員が自分の都合に合わせて学習を進めることができます。
例えば、通勤時間や休憩時間など、隙間時間を利用して学習に取り組めます。また、自宅や出張先など、オフィス以外の場所でも研修に参加することが可能です。
交流しながら学習を進められる
YouTubeは、コメントやチャット機能を利用して、他の受講者と交流しながら学習を進めることができます。
例えば、動画を視聴しながら、疑問点や意見をコメントに残して、他の受講者と共有することができます。また、グループで課題を解決しながら学習を進めることも可能です。
豊富なコンテンツがある
YouTubeには、さまざまなジャンルの動画が公開されています。そのため、社内研修に必要なコンテンツを簡単に見つけることができます。
例えば、ビジネスマナーやITスキルなどの基本的な知識から、最新の技術やトレンドまで、幅広いコンテンツを研修活用することが可能です。
動画による学習効果の向上
動画は、視覚や聴覚を刺激するため、テキストや音声だけのコンテンツよりも、学習効果を高めることができます。
例えば、デモンストレーションやアニメーションなど、視覚的にわかりやすい表現を用いることで、受講者の理解度を向上させることにつながります。また、音声で解説することで、伝わりやすい動画研修に仕上げることができます。
また、YouTubeではありませんが、学習効果を高める方法としてインタラクティブ動画を制作することもおすすめです。インタラクティブ動画とは、映像内にクリックやタップができるボタンやサイトリンクなどが設置された動画のことです。インタラクティブ動画の活用シーンや制作ポイントについては、以下の記事を参考にしてください。
YouTubeを社内研修に活用するデメリット
YouTubeを社内研修に活用する際には以下のようなデメリットもあります。
- 情報漏洩のリスクのリスクがある
- 適切な学習効果が得られない
- 動画の質にバラつきがある
- 視聴者の集中力が続かない
- リアルタイムでの交流ができない
それぞれ、確認していきましょう。
情報漏洩のリスクのリスクがある
YouTubeは、一般向けのプラットフォームであるため、外部からのアクセスを制限することができません。そのため、社内研修で利用する場合には、情報漏洩のリスクを考慮する必要があります。
例えば、社内ルールや経営戦略などの機密情報を含む動画を公開すると、情報漏洩のリスクが懸念されます。また、社員の顔や声が映り込んでいる動画を公開すると、個人情報の漏洩につながる可能性もあります。
適切な学習効果が得られない
YouTubeには、さまざまなジャンルの動画が公開されていますが、すべてが社内研修に適しているとは限りません。
例えば、娯楽目的の動画や、ニッチすぎる学術的な内容の動画は、社内研修の目的に合わない可能性があります。また、動画の配信者が専門家でない場合、誤った情報が含まれていることも懸念されます。
適切な学習効果を得るには、eラーニングとして動画を活用することもおすすめです。eラーニングについては以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
動画の質にバラつきがある
YouTubeには、個人で制作した動画も多く公開されています。そのため、動画の質にバラつきがあり、学習効果が低下することもあるでしょう。
例えば、画質や音質が悪い動画や、編集が不十分な動画は、受講者の理解を妨げる可能性があります。また、内容が不十分な動画や、誤った情報が含まれている動画は、受講者の混乱を招きます。
視聴者の集中力が続かない
動画は、テキストや音声だけのコンテンツよりも、視覚や聴覚を刺激するため、集中力が続きにくいこともあります。
例えば、長時間の動画や、内容が冗長な動画は、受講者の集中力を奪ってしまいます。また、動画の構成がわかりにくいと、受講者が理解しづらくなります。
伝わりやすい研修の事例や作り方のコツについては、こちらの記事でも解説していますのでぜひ参考にしてください。
リアルタイムでの交流ができない
YouTubeは、動画を視聴するだけのプラットフォームであるため、リアルタイムでの交流ができません。
例えば、質問や意見を共有することができないため、受講者の疑問が解消されない可能性があります。また、ディスカッションやグループワークなどのアクティブラーニング(能動的な学習)が実施できないこともデメリットです。
YouTubeを社内研修に活用する際の注意点
YouTubeを社内研修に活用する際には、以下の点に注意しましょう。
- 情報漏洩対策をする必要がある
- 適切な動画を選定する必要がある
- 学習効果を高める工夫を検討する
それぞれ詳しく解説していきます。
情報漏洩対策をする必要がある
社内研修で利用する場合には、情報漏洩のリスクを考慮する必要があります。一般のユーザーに見られなくない情報であれば、限定公開にして社員にのみ動画のURLを共有するようにしましょう。
機密情報が含まれる場合には、動画のアップロード自体を控えておくことがおすすめです。アップロードした後から機密情報が含まれることが判明した際には、すぐに動画を非公開または削除しましょう。
適切な動画を選定する必要がある
YouTubeには研修に不適切な動画もアップロードされているため注意して、適切な動画を選定しましょう。
具体的には、以下の点に注意して動画を選定することが重要です。
- 研修の目的に合っているか
- 内容が正確でわかりやすいか
- 視聴者の理解度に応じた内容か
研修の目的やゴールをあらかじめ明確にしておくことで、必要な内容の動画をピックアップしやすくなります。
学習効果を高める工夫を検討する
そもそもYouTubeは、動画を視聴するだけのプラットフォームであるため、学習効果を高める工夫が必要です。
具体的には、以下の点に注意して工夫することが重要です。
- 動画の長さや内容を調整する
- 動画を視聴するルールを定める
- 視聴した後に理解度テストを実施する
これらの対策や工夫をすることで、YouTubeを効果的に活用して、社内研修の質を向上させることができます。
効果的な社内研修を動画で行いたいのであれば、弊社が提供する動画制作サービスのムビサクがおすすめです。ムビサクでは社内研修向けの動画をはじめとした、さまざまな動画の制作実績があります。
無料相談も承っておりますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
YouTubeを活用した研修の具体的な方法
YouTubeを活用した研修の具体的な方法には以下のようなものがあります。
- 既存の動画を活用する
- 新しく動画を制作する
- 複数の動画を組み合わせる
それぞれの動画について詳しく解説していきます。
既存の動画を活用する
既存の動画を利用すれば、制作や編集の手間が省け、最新の情報やトレンドを反映した動画を活用することができます。ただし、研修の目的に合った動画を選定し、内容が正確でわかりやすいか確認する必要があります。また、著作権に注意することも大切です。
新しく動画を制作する
自社で動画を制作すれば、研修の目的や内容に沿った動画を制作し、社員の理解度やニーズに合わせた動画を制作することができます。ただし、動画制作のスキルや知識が必要で、撮影や編集にかかる時間や費用がかかります。また、タレントや社員を映す場合は、肖像権に注意することも大切です。
研修動画の作り方については、こちらの記事もおすすめです。
複数の動画を組み合わせる
ひとつの動画ですべての内容を網羅するのが難しい場合は、複数の動画を組み合わせて活用することもおすすめです。複数の動画を組み合わせれば、より充実した内容の研修を実現し、視聴者の興味や理解度に合わせて動画を選ぶことができます。ただし、動画の流れや構成をよく考え、動画の質や内容がバラつかないようにする必要があります。
YouTubeを活用した研修の成功事例
YouTubeは様々な企業や法人の研修に活用されています。ここでは研修動画の制作事例を紹介します。
- 事例1:ビジネスマナー研修
- 事例2:情報セキュリティ研修
- 事例3:営業研修
- 事例4:オンボーディング研修
なお事例1から3は弊社の事例ではありませんが、事例4はムビサクの事例になっています。
事例1:ビジネスマナー研修
引用:「新入社員研修―動画版」無料試聴できます。(6分44秒)
株式会社新規開拓が配信している新入社員向けのビジネスマナー研修の動画です。ウェビナー形式で構成されており、製品版の動画は全5本で合計4時間ほどにのぼりますが、YouTubeでは一部が無料視聴できるようになっています。テレワークや在宅勤務が進むなか、動画での新入社員研修の需要は増えつつあります。
対面での研修に近いウェビナー形式で進む研修も多くあります。ウェビナーの配信を成功させるコツについては以下の記事も参考にしてください。
事例2:情報セキュリティ研修
引用:3つのかばん -新入社員が知るべき情報漏えいの脅威-
独立行政法人情報処理推進機構が配信している情報セキュリティ新人研修の動画です。再現ドラマ形式で進められるため、視聴者は登場人物に自分自身を投影して学習が可能です。
また、IPA Channel動画の二次利用ついては、事前申請は不要でそのままブラウザ上で再生して、社内研修用のコンテンツに使うこともできます。
YouTubeを活用して一般の企業に幅広く使ってもらえるように考慮されているため、2023年9月時点で50万回再生以上されています。
YouTubeで活用する動画はクオリティも求められるため、映像制作会社に依頼することもおすすめです。YouTubeにおける動画制作の料金相場や費用を抑えるコツについては、以下の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
事例3:営業研修
引用:不動産賃貸仲介営業研修【サンプル】
ALPINISM株式会社が配信している不動産業界向けの営業研修動画です。サンプルではありますが、営業の知識と営業手法(客付)を身につける研修となっています。
営業には、接客応対、商品・サービスの案内、クロージング、追客など、多くの技術が必要になります。電話対応のロールプレイングや接客や商談のロールプレイングも動画を視聴することでイメージでき、オフラインの研修で実演することで身につきやすくなります。
セミナー形式の動画の撮影のコツについては、以下の記事も参考にしてください。
事例4:オンボーディング研修
事例:新卒・中途採用動画アニメーション
株式会社アズ企画設計の新卒・中途採用者向けのオンボーディング研修動画です。
オンボーディング研修とは、新しく入社した社員を企業の一員として定着させるための研修です。企業理念や社内ルール、仕事の進め方、職場の人間関係など、企業で働くために必要な知識やスキルを習得させることで、早期に活躍できるようにサポートする目的があります。
今回の動画では、オンボーディングの一環として、会社の理念やビジョンをアニメーション動画で表現しています。
こちらの動画はムビサクでご依頼いただきました。ムビサクでは社内研修向けの動画をはじめとした、さまざまな動画の制作実績があります。
無料相談も承っておりますので、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
社内研修でのYouTube動画活用のよくあるご質問
社内研修でのYouTube動画活用についてのご質問はかなり多くいただきます。その中から、頻度の高いものへの回答をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
- 動画研修とは何ですか?
- 動画研修とは、動画化されたセミナーやeラーニング教材を用いた研修です。社内外の研修に活用されています。新入社員向けの動画研修では、企業の歴史やビジョン伝えることでオンボーディングにつながります。また、中堅社員向けのリーダーシップ研修では、組織づくりの概念などを動画でわかりやすく伝えることができます。
- 動画研修のメリットは何ですか?
- 動画研修のメリットは、研修にかかる手間やコストを削減できることです。事前に制作した動画を活用するため、講師に毎回依頼する必要もなくなります。また、動画にすることで、講師の質に左右されることなく、安定した研修を提供することもできます。
- 会社でYouTube動画を流しても大丈夫ですか?
- 会社や店舗でYouTube動画を流す場合は、著作権保有者である動画制作者もしく所有者の許可を得る必要があります。また、動画だけではなくBGMなどの楽曲を商用利用する場合も同様です。許可を得ずに動画や音楽を流すと著作権違反になりますので、注意しましょう。
まとめ
YouTubeにアップロードされている動画を社内研修に使うことは可能です。しかし、著作権や肖像権には注意が必要です。そのため、二次利用についてのルールを確認して、必要に応じて動画の制作者やYouTubeチャンネルの持ち主に連絡をしておきましょう。
また、自社で制作した研修動画をYouTubeにアップロードする際には情報漏洩には気をくけましょう。配信する動画を通常公開にするか限定公開にするか事前に考えておくことも大切です。
効果的な社内研修動画を制作するには、プロの映像制作会社に依頼することもおすすめです。ムビサクでは社内研修向けの動画をはじめとした、さまざまな動画の制作実績があります。
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