介護施設の職員教育を担当している方で「毎回のトレーニングにかかるコストを減らしたい」と考える方も多いことでしょう。
もちろん職員の研修は大切な業務です。しかし、人と人のコミュニケーションが大切な福祉介護の仕事では、利用者との時間を大切にしたい、と考える方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、介護の研修で使える動画マニュアルを制作し、毎回の職員トレーニングをより効率的に行う方法を解説します。また研修動画を作成するメリットや、制作方法についても紹介します。
最後までお読みいただければ、利用者とのコミュニケーション時間を増やす解決策が手に入るでしょう。
動画制作サービス「ムビサク」では研修動画の豊富な制作実績があります。動画制作を検討している方はぜひ一度お問い合わせください。
- 介護研修動画やeラーニングのメリット・デメリット
- 介護研修動画を作る手順
- 介護研修動画を作るコツ
目次
介護の研修動画やeラーニングを用意する5つのメリット
介護の研修動画やeラーニング動画を制作するメリットは、以下の5つです。
- ランニングコストが削減できる
- 接遇マナーが視覚的に理解できる
- 研修の抜け漏れがなくなる
- 繰り返し何度でも見られる
- 外国人職員へ研修しやすくなる
それぞれ、どのようなメリットなのか解説します。
なおeラーニングに特化した動画制作について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
1:ランニングコストが削減できる
介護の研修動画を制作することで、ランニングコストを大幅に削減できるでしょう。
同じ研修を何度も行うことを避けられるため、職員育成にかかる時間と人手を節約できます。
新しい職員が入ったときも、次の研修を待つ必要がありません。
任意のタイミングで研修をスタートでき、継続して学習できる環境が整えられます。
職員による研修では、時間や場所の確保と調整が必要です。講師の人件費もかかってくるでしょう。こういったコストが大幅に節約できることは、研修動画を活用する大きなメリットと言えます。
2:接遇マナーが視覚的に理解できる
介護の仕事で重要な接遇マナーは、テキストだけでは想像しにくいため、動画で視覚的に理解するとよいでしょう。
たとえば「傾聴の姿勢を大切にしましょう」と言葉で伝えるのは簡単ですが、実際どのように行動すればいいかはわかりにくいものです。
しかし映像で「施設の利用者と目線の高さを揃え、笑顔で話を聞く姿」が映し出されれば、詳しい説明がなくても具体的な行動が理解できます。
動画マニュアルでの研修は、テキストのマニュアルを読ませるよりも、はるかに多くの情報量が伝えられるのです。
3:研修の抜け漏れがなくなる
介護の研修を動画で行えば、常に一定の内容を伝えられるため、指導職員による抜け漏れが発生しません。 どれほどベテランの職員でも、毎回まったく同じ伝え方で教えることは難しいでしょう。 時には研修で指導すべき項目に抜けが発生することもあるはずです。
しかし、受講する側はその研修内容の抜け漏れには気づかないため、いつかミスする可能性もあります。
「そのやり方については、教わっていません」となるのです。
研修を動画で行えば、このような潜在的なミスの発生を抑えられる可能性があります。
4:繰り返し何度でも見られる
介護の研修動画を作成するメリットのひとつは、同じ内容を何度でも見直せることです。
対面式の研修では、教えられたことを一度で完全に覚えるのは難しいでしょう。
しかし、動画であれば疑問点があったとしても、その部分だけを何度でも見返して確認できます。
自分のペースで焦らず、じっくりと学びたい部分を深く理解できるはずです。
繰り返しの学習は、対面式で一度きりの研修では難しいことかもしれません。
5:外国人職員へ研修しやすくなる
介護の研修動画を作るメリットとして、外国人職員を研修しやすいことがあげられます。母語が日本語ではなく、言葉の壁があったとしても、動画であれば理解が容易です。
たとえば日本語がまだ完全に理解できない職員でも、映像やイラストで提示してもらえれば理解できる内容が多くあるでしょう。
とくに実際の作業手順や気をつけるポイントなどは、視覚的に示してもらえれば理解しやすくなります。
また動画なら繰り返し見られるので、言語の壁により理解が遅い職員にとっても、大きな安心感につながるはずです。何度でも繰り返し見れば、徐々に内容を理解できるでしょう。
場合によっては、英語字幕をつけることも有効です。字幕があれば母語での理解を助けられます。リアルタイムでの通訳は実際の研修では難しく、動画ならではのメリットです。
介護の研修動画やe-ラーニングを用意する3つのデメリット
一方で、介護の研修動画を作るデメリットも以下のように存在します。
- 一時的な初期コストは必要
- 情報の更新が必要
- 視聴確認が必要
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1:一時的な初期コストは必要
研修動画は一度作成してしまえばランニングコストがかからない反面、制作時は動画時間や内容に応じて初期コストが必要となります。
つまり長期的に見ればコストダウンにつながるのですが、一時的にコストが高くつくわけです。動画素材がすでにそろっている場合は編集からはじめられますが、撮影からスタートする場合は、専門の職員を雇用する必要もあるでしょう。
なお弊社では、法人様1回限りではありますが、TRIALプランも用意しています。TRIALプランを利用することで、初期コストも抑えられます。詳しくは、以下リンクをご覧ください。
またご相談やお見積もりも対応可能ですので、以下よりお問い合わせください。
2:情報の更新が必要
研修動画を作成した場合、情報が古くなったときにすぐに作りかえることが難しく、古くなる可能性があります。
介護の現場では、新しい技術や法律、ルールが日々変わっていきます。場合によっては変化に合わせ、細かく動画を作りかえなければなりません。それに比べて対面式の研修では、現場に応じた最新の情報を教えてもらえます。
また動画研修の場合、気づかずに古い情報を教えてしまい、職員が間違った知識を覚えてしまう可能性もあるでしょう。一度記憶した知識は、定着してしまうと更新も大変です。
動画マニュアルは、情報の更新が不可欠なことを頭に入れておくべきです。
3:視聴確認が必要
研修を動画で行う場合、職員が動画をきちんと視聴したかどうか、確認する必要があります。
対面式の研修であれば、職員が同じ場所で学んでいるため、誰が研修に参加したかを知るのは簡単でしょう。
しかし動画を使った研修の場合、把握が難しくなります。職員が自分の好きな時間に好きな場所で動画を見られるのは便利ですが、その反面、誰がどの程度見たのか、理解したのかを確認することは困難です。
とくに研修動画が長い場合、職員がすべて視聴していない可能性もあります。
介護の研修動画を作る場合は、視聴の確認や理解度チェックの方法を考えることも大切です。視聴チェックは研修動画の効果を最大化するためにも、重要な課題と言えるでしょう。
介護の研修動画を作る手順
介護の研修動画を作成するには、以下の6つのステップを踏むとよいでしょう。
- 受講者を想定する
- 企画を考える
- 動画の素材や資料を集める
- 動画を撮影する
- 動画を編集する
- 動画を書き出す・アップロードする
それぞれ工程ごとのポイントを解説します。
1:受講者を想定する
介護の研修動画を作る手順1は「受講者を想定する」です。介護の現場では、さまざまな人が働いています。それぞれがどのような経験を持っているのか、何を学びたいのかは人それぞれです。
新しく入ったばかりの人には、基本的な介護の技術やルールを教える動画が必要でしょう。新社会人であれば、電話対応や福祉サービス全般の知識が必要かもしれません。
動画の内容を決める前には、まずは誰が動画を見るのかを考えることが重要です。
2:企画を考える
介護の研修動画を作る手順2は、「企画を考える」です。
まずは受講者が何を学びたいのかを明確にして、動画で「どのように」伝えるかを考えます。
たとえば「ベッドから車椅子へ移す方法」の動画であれば、具体的にはどのような手順で行うのかを詳しく教えることが求められます。
次に、動画の長さや形式、ビジュアルなどの具体的な形も考えましょう。短い時間でポイントを伝えるミニ動画にするのか、詳細な説明を入れて長めの動画にするのか、といった「動画時間」を決めなくてはいけません。
また実際の介護の様子を撮影するのか、アニメーションやイラストを使うのかなど、視覚的にどう伝えるかも大切なポイントです。企画の段階でしっかりと計画を立てることが、研修動画が受講者にとってわかりやすく、役立つものになるための重要なステップです。
なお企画にあたっては、以下の記事も参考になるでしょう。
3:動画に使う写真や資料を集める
企画が決まったら動画に挿入する材料を集めます。
「車椅子の使い方」の動画を作る場合、実際に車椅子を使っている写真や、どのボタンを押すと動くのかを説明する図解などがあるといいでしょう。
介護に関する基礎知識や、技術を説明するためのイラストなども用意します。補足として動画に挿入することで、動画を見た人が「なるほど、そういうことだったのか」と納得できるはずです。
4:動画を撮影する
介護の研修動画を作る手順4は、「動画を撮影する」です。
撮影するときのポイントは、視聴者が「見やすい」動画になるように気をつけることです。具体的には、以下のポイントを意識しましょう。
- 明るい場所で撮影する
- カメラがぶれないようにする
- 大事なポイントはゆっくりとアップで映す
上記のようなポイントを意識し、視聴者が理解しやすいように工夫します。
またナレーションを入れる場合は台本を準備し、どこで何を説明するのか、イメージしつつ撮影すると編集がスムーズです。
5:動画を編集する
撮影した動画素材をまとめて必要なシーンを選び、ひとつの動画に編集しましょう。視聴者が理解しやすいように、動画を並べかえたり速度を調整したりも必要です。
大切な部分はテロップや図解を入れ、伝えたいことがはっきりと伝わるよう工夫します。
編集の工程は動画作成ソフトを使って行いますが、使い方がわからない場合は、学習しておくとよいでしょう。
なお動画編集に必要なスキルや時間については、以下の記事が参考となるはずです。
\6:動画を書き出す・アップロードする
「動画を書き出す」とは、編集が終わった動画素材をひとつのファイルとして保存することです。ファイルの形式や動画サイズなど、再生する環境に合わせて設定を選びましょう。たとえば、大きな画面で見るなら高画質、スマホで見るならサイズが小さいものにします。
配信先は、可能であればインターネット上にアップロードし、いつでも見られる状態にしたいところです。
ただし個人情報が映っている場合や、施設の内部が見える場合などは、セキュリティに注意する必要も出てきます。公開範囲を限定したり、パスワードを設定したりして、情報を守りましょう。
なお動画制作についてさらに深く知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
介護の研修動画を作るときの4つのコツ
最後に、動画を効果的に作るための4つのコツについて共有します。
- ナレーションを入れる
- スマホでの視聴を想定する
- 動画時間を短く作る
- 図解やアニメーションを活用する
それぞれ見ていきましょう。
なお動画制作のより詳しい解説は、以下の記事にあります。
コツ1:ナレーションを入れる
ナレーションがあると、映像だけでなく音声でも情報を伝えられるため、理解が深まるでしょう。たとえば「ここで手を洗います」や「次にこういう状況では、どのように対応するか見てみましょう」など、映像と合わせて説明することで、イメージが共有できます。
以下の動画は弊社作成の動画ではありませんが、講師の説明がナレーションとして挿入されており、場面に応じてポイントが解説されているよい例です。
引用:介護老人福祉施設(特養)のためのそうだったのか!感染対策①(外からウイルスをもちこまないために)
ただナレーションを入れるだけではなく、声のトーンや速さも工夫すると、視聴者も内容を吸収しやすいでしょう。また専門的な言葉を使いすぎると、視聴者の理解が追いつかない可能性もあります。難しい言葉はなるべく避け、わかりやすい言葉を選びましょう。
コツ2:スマホでの視聴を想定する
現在、多くの人がスマホを使って情報を得たり学んだりするため、研修動画もスマホで見やすくするといいでしょう。スマホの画面はパソコンの画面に比べて小さいため、大きな文字やわかりやすいイラストを使いたいところです。
また、スマホはどこでも持ち運べるので、動画を見るタイミングや場所が限定されません。職員がちょっとしたスキ間時間でも学べるように、動画の長さは短めにするとよいでしょう。動画の長さについては、次でも詳しく解説します。
コツ3:動画時間を短く作る
動画1本ずつの時間を短くすると、2つのメリットがあります。
まず視聴者の集中力を切らさず、最後まで見てもらいやすいというメリットです。今や多くの人がショート動画を日常的に視聴している反面、長時間の動画は離脱されやすい可能性があります。たとえば30分の動画マニュアルなら、「5分 × 6本」に分割するといった工夫が必要でしょう。
また情報が古くなり動画を更新する必要がある場合、短ければ作り直しがしやすく、差し替えも容易です。すべて編集しなおす必要がないという点も、動画を短く作るメリットと言えます。
コツ4:図解やアニメーションを活用する
人間は視覚から得る情報が多いと言われており、図やアニメーションを使って視覚的に示すことは、理解を深めるのに非常に有効です。とくに作業手順の説明は、アニメーションで流れを解説するとわかりやすいでしょう。
また実写ではプライバシー保護の観点から、顔を写すことが難しい場合もあるでしょう。このような配慮が必要な場合も、図解で解説すれば解決できるかもしれません。
なおアニメーションでの動画制作を考えている場合は、以下の記事もご覧ください。
介護研修動画のよくあるご質問
介護研修動画についてのご質問はかなり多くいただきます。その中から、頻度の高いものへの回答をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
- 介護接遇マナー研修で使う「接遇」とは何ですか?
- 介護接遇マナー研修で使う「接遇」とは、利用者一人ひとりの尊厳を尊重し、おもてなしの心を持って接することです。具体的には、明るい笑顔で挨拶をする、相手の話に丁寧に耳を傾ける、適切な距離感を保つ、などが挙げられます。接遇マナーを身につけることで、利用者が安心して生活を送れる環境を整えることができます。
- 接遇の基本5原則とは何ですか?
-
介護の現場で求められる接遇には以下の5つの原則が挙げられます。
・あいさつ・声かけ:明るく丁寧にあいさつや声かけをする
・言葉遣い:丁寧でわかりやすい言葉遣いを心がける
・表情・笑顔:笑顔で接して利用者に安心感を与える
・態度:相手に敬意を払う姿勢を心がける
・身だしなみ:清潔感のある身だしなみを心がける - 介護でタブーな声かけはありますか?
-
介護でタブーな声かけはあります。主なタブーは、以下の4つです。
・否定的な声かけ
・上から目線の声かけ
・個人的な質問
・差別的な声かけ
タブーな声かけを避けることで、利用者が安心して生活を送れる環境を整えることができます。
まとめ
介護の研修で動画を活用することは、指導者・受講者の両方にとってメリットがあります。
最後にもう一度、研修動画を制作するメリットをまとめます。
- ランニングコストが削減できる
- 接遇マナーが視覚的に理解できる
- 研修の抜け漏れがなくなる
- 繰り返し何度でも見られる
- 外国人職員へ研修しやすくなる
ただし、これらのメリットを網羅して効果的な動画を制作するためには、ある程度のコストが必要です。また制作するためには専門的な撮影・編集スキルも必要となるでしょう。
もし自社でも制作が難しいと感じた場合は、弊社でも研修動画の制作を行なっております。
まずは以下をご覧いただき、制作のイメージをもってみてはいかがでしょうか。
また見積もりをご希望の方は、以下よりお問い合わせください。