近年デジタル技術の成長とともに「DX」という概念が普及してきました。経済産業省もDXの普及を推進しており、民間企業に向けてDXの普及について取りまとめた「デジタルガバナンス・コード2.0(旧DX推進ガイドライン)」を発表しました。
DXはビジネス業界にとって重要なキーワードとなっています。企業がDXを普及させるためのツールとして「動画」がおすすめです。動画は場所や時間を選ばずにアクセスでき、短時間でも質の高い情報を効率よく届けられます。
本記事ではDXの導入を検討している方に向けて、DXの基本知識や動画が有効な理由について解説します。DXのための動画の活用シーンや実際の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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- 企業のDX推進に動画が有効な理由
- DX動画を企業が活用するシーン
- 企業がDX動画を活用した事例
目次
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DXは「デジタルトランスフォーメーション」の略称で、デジタル技術を活用し、人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変革させるという概念のことです。
ビジネスにおけるDXの意義は、デジタル化を通して企業やビジネス業界全体をよりよく変えていくことであると言えます。たとえば「デジタル技術を使って顧客に新たな価値を提供すること」や「デジタル技術を駆使して業務の効率化を図ること」です。
経済産業省は、デジタル技術を活かしてビジネスモデルや経営の変革にチャレンジし続けている企業を「DX銘柄2022」として選定し、DXの普及を図っています。
参考:DX銘柄2022│経済産業省企業にとってDXが重要な理由
企業がDX化に取りかかるべき理由のひとつは、DXを普及させることで商品やサービスの販売だけでなく、業務や組織全体の動きを効率化できるためです。デジタル化の特徴はデータを数値化できる点で、数値化されたデータを分析することで改善すべき業務が明確になり、生産性を高められます。
さらにデジタル化を進めていない企業は取り残されてしまい、経済的損失が大きいとも言われています。経済産業省の「DXレポート」によると、2025年までにDXが浸透しないと最大で年間12兆円の経済損失が起きると予測されており、各分野での迅速なDX化が求められているのです。DX化は完全に浸透するまでに時間がかかるため、できるだけ早くDX化に取りかかることが推奨されています。
参考:DXレポート│経済産業省DXを普及させるための流れ
抽象的な概念のDXですが、具体的にどのようなことからはじめればいいのでしょうか。以下の手順を参考に、一歩ずつDX化を進めていきましょう。
- DXについて社内全体で理解を深める
- 現状を把握し、現在のシステムの見直しをする
- 実際にデジタル化を導入する
まずは社内全体でDXについての理解を深め、DXのゴールを共有することが大切です。次に現在の業務やシステムを見直し、改善できる部分がないかを検討します。デジタル化にはアプリやシステムの導入、動画を使った業務のデジタル化などさまざまな手段があります。職種や社内の状況に合わせて導入しやすいものからはじめていきましょう。
DXの普及において動画を活用する5つのメリット
DXを普及させるための手段として「動画」の導入がおすすめです。ここではDXの普及のために動画が有効な理由について、以下の項目を解説します。
- 場所や時間を選ばずアクセスできる
- 短時間でも質の高い情報を届けられる
- 人的リソースを削減できる
- 映像と音声の組み合わせで印象に残りやすい
- 比較的制作費用を抑えられる
場所や時間を選ばずアクセスできる
動画は、インターネット環境があれば、場所や時間を選ばずアクセスできるというメリットがあります。これにより、従来の対面でのセミナーや商談に比べて、業務の効率化が見込めます。 動画であれば、都合のいい時間に視聴できるため、従来のようにセミナー会場や取引先の会社に出向く必要がなく、業務の効率化を図ることができます。たとえば、DXに関する社内教育や研修の動画化により、従業員の学習時間の短縮や、研修の場所や時間の制約をなくすことができます。
また、いつでもどこでも視聴できるため、顧客とのコミュニケーションの活性化にも役立ちます。例えば、オンラインセミナーやウェビナーを活用することで、遠方の顧客や、忙しくてセミナーに参加できない顧客にも情報を届けることができます。また、商品やサービスの紹介動画を活用することで、顧客の理解や興味を深めることができます。
さらに、視覚と聴覚に訴えかけるため、マーケティング効果の向上につながります。たとえば、商品やサービスの魅力を訴求するマーケティング動画を活用することで、顧客の購買意欲を高めることができます。また、企業のブランディング動画を活用することで、企業の認知度やイメージアップを図ることができます。
短時間でも質の高い情報を届けられる
動画は、テキストや静止画に比べて、より多くの情報を一度に伝えることができるというメリットがあります。たとえば、商品やサービスの説明動画では、商品の機能や特徴を映像や音声でわかりやすく伝えることができます。また、社内教育動画では、テキストや静止画では伝わりづらい複雑な内容も、動画なら視覚的に認識しやすくなります。
また、動画は、映像や音声で視覚と聴覚に訴えかけるため、理解を促進する効果もあります。たとえば、オンラインセミナーやウェビナーでは、動画を活用することで、視聴者の注意を引き付け、集中して受講してもらうことも可能です。また、社内教育でも動画を活用することで、従業員が業務内容や作業への理解度を深めることにつながります。
さらに動画には、認識のズレを防止する効果もあります。たとえば、商談では、動画を活用することで、顧客の理解度を高め、商品やサービスに対する認識のズレを防止することができます。また、商品やサービスの紹介動画では、動画を活用することで、顧客の誤解を防ぐことができます。
つまり、動画は、短時間でも質の高い情報を届けられるというメリットにより、効率的な情報伝達や、認識のズレの防止などに役立ちます。今後、DXの普及とともに、動画の活用はさらに拡大していくと考えられます。
人的リソースを削減できる
動画は、人的リソースの削減につながるメリットがあります人的リソースの削減は、業務の効率化を図ることにもつながります。たとえば、社内教育や研修の動画化により、従業員の学習時間の短縮や、研修の場所や時間の制約をなくすことができます。
また、商品やサービスの紹介動画を活用することで、顧客への説明や問い合わせ対応の負荷を軽減することができます。
加えて、動画を活用することは、コスト削減にもなります。たとえば、社内教育や研修の動画化により、講師の人件費や会場費などのコストを削減することができます。また、商品やサービスの紹介動画を活用することで、パンフレットやカタログなどの制作費や配送費などのコストを削減することができます。
業務の効率化とコスト削減という面から、動画を活用することで、生産性の向上が期待できます。社内教育や研修の動画化により、従業員の学習効率を高めることができます。また、商品やサービスの紹介動画を活用することで、顧客の購買意欲を高め、売上を向上させることにもつながります。
さらに、マーケティングにおける人的リソースの削減もあります。たとえば、商品やサービスの魅力を訴求するマーケティング動画は、営業担当者の負担を軽減することができます。また、企業のブランディング動画を活用することで、広報担当者の負担を軽減することができます。
映像と音声の組み合わせで印象に残りやすい
動画は、映像と音声の組み合わせにより、視覚と聴覚の両方に訴えかけるため、印象に残りやすいというメリットがあります。その結果、動画は映像と音声の組み合わせにより、視聴者の理解度を高めることにもつながります。
また、動画は、映像と音声の組み合わせにより、視聴者の感情に訴えかける効果もあります。たとえば、商品やサービスの宣伝動画では、映像と音声で視聴者の感情を揺さぶることで、購買意欲を高めることができます。
そのため、聴者の印象に残りやすいというメリットを利用したマーケティング活動もおすすめです。たとえば、商品やサービスの魅力を訴求するマーケティング動画を活用することで、視聴者の購買意欲を高めることができます。また、企業のキャンペーンやイベントの紹介動画を活用することで、視聴者の興味や関心を引きつけることも可能です。
動画の活用は、商品やサービスの紹介だけではありません。企業のブランディングでも、視聴者の印象に残りやすいというメリットは活用されています。たとえば、企業の理念やビジョンを映像と音声でわかりやすく伝えることで、視聴者の理解度を高め、企業の認知度やイメージアップを図ることができます。また、企業の社員や事業の紹介動画を映像と音声で紹介することで、視聴者に企業の魅力を伝えることも可能です。
比較的制作費用を抑えられる
動画は、アプリやシステムの導入に比べて、比較的制作費用を抑えられるというメリットがあります。アプリやシステムの導入には、初期費用として開発費用やハードウェアの購入費用などがかかりますが、動画の制作には、それほど大きな費用はかかりません。1本あたり数万円から数10万円程度で制作することも可能です。
また、アプリやシステムの運用には、サーバーの維持費や保守費用などがかかりますが、動画の運用には、それほど大きな費用はかかりません。たとえば、動画の配信には、YouTubeやVimeoなどの動画共有サイトを利用することで、無料で行うことができます。
加えて、アプリやシステムの開発には、数ヶ月から数年かかる場合もありますが、動画の制作には、それほど長い期間はかかりません。たとえば、簡単な動画であれば、1週間程度で制作することも可能です。
動画の場合、とくにアニメーション動画であれば実写動画より制作期間や費用を抑えられます。アニメーション動画の相場は約5万〜100万円、実写動画は約30万〜200万円ほどです。動画制作の費用については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
動画の長さやクオリティによって制作費用は異なりますが、ムビサクでは最低5万円からアニメーション動画の制作が可能です。
低価格で高クオリティのアニメーション動画を制作したい方は、ぜひ一度無料相談をしてみてはいかがでしょうか。
動画を活用してDXを普及させるためのポイント
DX普及のために動画を活用する場合は以下のポイントを押さえることで、より効率的にDX化を進められます。
- さまざまなシーンでの動画活用を検討する
- SNSを活用する
- 動画を使って解決したい課題を明確にする
さまざまなシーンでの動画活用を検討する
動画は汎用性が高く、短い動画であれば制作コストも抑えられるため、今行っている業務の中で動画に置き換えられるものはないか検討してみましょう。上記で紹介したように営業活動や採用シーンなど、動画を活用できる場面は多くあります。
いきなりすべての工程を動画化する必要はなく、業務の一部を動画に変えてみたり、今行っている業務と動画を組み合わせてみたりするといいでしょう。たとえば新人研修で対面のセミナーと動画での学習を組み合わせて、徐々にデジタル化に移行できます。
SNSを活用する
動画とSNSは相性がよく、制作した動画をSNSで配信することで効率的に多くの人に情報を届けられます。たとえば商品紹介の動画をSNSで配信することで不特定多数の人にアプローチでき、商品の認知度を高めることが可能です。動画を使うことで消費者は手軽に情報を得られ、企業側は効率的に商品の宣伝ができます。
SNSで動画を配信するときは、ターゲット層に適したプラットフォームを見極めることが大切です。InstagramやTikTokは若年層向けで、Facebookは比較的広い年齢層にアプローチ できます。
動画を使って解決したい課題を明確にする
どのような課題を解決して、どのような結果を得たいかを最初に明確にしましょう。解決したい課題によって、動画の内容や演出が変わってくるためです。
たとえば営業活動で「商談中の商品紹介の時間を減らしてヒアリングに時間を割きたい」という目的があれば、商品の魅力を端的にわかりやすく説明した動画が必要です。一方採用活動で「自社にマッチした人材を集めたい」という目的があれば、会社の雰囲気がわかる演出の動画が向いています。
DXのための動画の活用シーンとは?
DXのための動画は以下のようなさまざまな場面で活用できます。
- 営業活動
- 採用
- 人材育成
- 社内マニュアル
社内で取り入れやすいシーンからDXのための動画を導入していきましょう。
営業活動
営業活動のシーンでは、商談の際に行う商品やサービスの説明を動画に切り替えられます。営業用の資料を動画にすることで営業パーソンの負担を減らせたり、商談中に説明に割く時間を短縮できたりします。
またリモートワークでオンライン上での会議や商談に切り替わり、対面の時と同じようにうまくプレゼンができない場合にも有効です。動画であれば環境に左右されず、わかりやすく商品やサービスの説明ができます。
採用
採用の場面では求人を集める際に採用動画を活用し、会社について多くの求職者に知ってもらえます。会社や社員の様子を動画にする際、テキストでは表現しにくい部分を映像化することで、会社のイメージを具体的に伝え新入社員の入社後のギャップを減らせます。
また動画は多くのプラットフォームに載せられるため、効率的に企業の認知度を高められる点も特徴です。動画はSNSとの相性もよく、拡散するには地道な努力が必要なものの、費用をかけずに拡散できる点も大きなメリットでしょう。
人材育成
人材育成を行う場面では、従来の対面の研修ではなくオンラインで動画を使った学習ができます。動画であれば時間や場所に縛られることなく、自分のペースで学習が可能です。また習得した部分は飛ばして、わからない部分を繰り返し見返せるため、効率よく学習できます。
さらにアメリカ国立訓練研究所の研究では、動画を使った学習は、テキストのみの学習より記憶に残りやすいという研究結果も出ています。
社内マニュアル
テキストでは文字量が多くなりがちなマニュアルも、動画にすることでわかりやすく、短時間で多くの情報を伝えられます。マニュアル動画をを見ながら同じように作業をすれば、画面操作や機械の使い方などを習得できます。
一律のマニュアル動画を一度制作すれば繰り返し使えて、指導者による差が生まれない点もメリットです。全員が同じ認識を共有できると社員の間での齟齬(そご)がなくなり、効率よく業務を行えます。
動画を活用したDXの事例
ここでは以下の実際に動画を活用したDXの事例を紹介します。
- ストックマーク株式会社
- 株式会社ボンド
- 株式会社コーユービジネス
事例を参考にして、自社に合った動画を制作しましょう。
ストックマーク株式会社
事例:情報プラットフォームの商談用動画
動画の種類 | DXサービスの商談用動画 |
---|---|
費用 | 30万円~50万円 |
ポイント:ストックマーク株式会社では、情報プラットフォーム「Anews(エーニュース)」の商談用に動画を活用しています。導入後のイメージがつきやすいように、実際の画面を利用したアニメーションで構成されています。また、作り方にもこだわりがあり、効果音をポイント使いすることで、動画の全体にメリハリを与えて、印象に残りやすい動画です。
株式会社ボンド
事例:営業資料用の商品紹介動画
動画の種類 | 営業資料向けの商品紹介動画 |
---|---|
費用 | 30万円~50万円 |
ポイント:株式会社ボンドでは、建築関連企業への営業資料としてアニメーション動画を導入しています。データや情報を図やイラスト素材でわかりやすく表現する「インフォグラフィック」と呼ばれる作り方が採用されており、映像だけでも多くの情報を伝えられます。さらにナレーションと馴染みやすいイラストで、アニメ感覚で気軽に視聴できる点もポイントです。
株式会社コーユービジネス
事例:展示会ブースでの商品紹介動画
動画の種類 | 物流DXシステムの紹介動画 |
---|---|
費用 | 50万円~ |
ポイント:株式会社コーユービジネスでは、2024年問題への解決策として、物流業界向けスマートグラス「ロジスグラス」の紹介を動画で行っています。便利なAR技術を活用したスマートグラスの利用イメージをキャラクター素材を用いたアニメーションで表現しています。インパクトのある冒頭は、展示会に出展した際には、ブースのサイネージで放映されました。
DX動画のよくあるご質問
DX動画についてのご質問はかなり多くいただきます。その中から、頻度の高いものへの回答をまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
- DX動画とは何ですか?
- DX動画は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の一環として企業が利用する映像コンテンツです。商品やサービスの魅力を伝え、顧客との関係を深め、ビジネスの成果を推進する役割を果たします。
- デジタル化とDXの違いは何ですか?
- デジタル化は単にアナログからデジタルへの移行を指し、情報の電子化やオンライン化を含みます。一方、DXはデジタル技術を活用してビジネスモデルやプロセスを変革し、顧客価値を向上させる継続的な取り組みを指します。デジタル化は手段であり、DXは目的です。
- DXはなぜ必要なのですか?
- DXが企業にとって必要な理由は、競争激化やテクノロジーの進化による市場変化に迅速かつ柔軟に対応し、顧客体験を向上させるためです。DXは革新的なビジネスモデルの創出や効率化、顧客との深い関係構築を可能にし、企業の成長や競争力強化に不可欠です。
まとめ
ビジネスにおけるDXとは、デジタル技術を活用して企業やビジネス業界全体をよりよく変えていくことです。動画は場所や時間を選ばずにアクセスでき、制作費用を抑えられるため、企業がDXを普及させる手段として有効なツールです。動画を使ってDX化を進めていくことで業務を効率化でき、顧客へ質の高い情報を届けられます。
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